インクレディブル・ハルク
確かアン・リー版が作られたのが5年前。なぜ今作はハルク2とか帰ってきたハルクとかハルクはつらいよブルース相合い傘とかじゃないんだろう?と不思議だった。そもそもなぜあの失敗作に続編が?
ところがどっこい、これは続編と言うより、リメイクに近いものだった。5年でリメイクされるなんて、天下のアン・リーの立場やいかに。
まあ、リメイクと言ってもわずか5年でまたハルクの誕生から説き起こされて黙って見ている観客などいない。なので今回はその部分はちゃちゃちゃと説明を済ませ、いきなりメキシコで逃亡生活を送る主人公の描写から。エリック・バナに替わったエドワード・ノートンはさすがに上手で、主人公ブルースが内なる化け物ハルクを飼いならして、なんとか元に戻ろうと考えて努力している様子をビシビシ伝えてきてくれる。そうか、これはスーパーヒーローではなく普通の人間の感情が主役の映画なんだ。心拍数があがってきたときの焦燥の表情。見事な説得力と言える。
で、この説得力が効を奏した結果、クライマックスの展開が見事にウソっぽくなると言う皮肉な結果に。あんたこれまでその能力をよい方向に使おうなんてビタ1文考えた事なかった癖に、君子豹変ですか!という。なかなか難しいもんですな。
パンツ伸び縮みに合理的な説明がされていて、ウケた。ジェニファー・コネリーからリブ・タイラーへの交代は、少し悲しいものがあるけれども、その意図するところはわからないでもない。どうでもいいけど、ラストカットはあざとすぎませんかね。
御裁断は(最高☆5つ)
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