ミスト
この作品の中では、真の絶望に陥った人間のする事が最も恐ろしい。その恐ろしさたるや、霧の中の怪物より、狂気に陥ったオバサンよりもっとなのだ。あんな恐ろしい事になるくらいなら、何としても絶望に陥らないようにしなければと思うのである。
しかし、もっと意地悪に言うと、あの真の絶望と言うのは、できる限りのことをやったという積極性が、なのに叶わなかったというところから来ている面もあると見る事もできるのではなかろうか。疲れは絶望を呼びこむのだ。だから、ひょっとしたら、困難な状況では、疲労しないようにじっとしている事は意外と重要なのかもしれない。難しいけどね。
ところで、虫だ。異形の虫がわんさか出てきて、人をどんどん食べちゃうってのは、これはまるでナイトワールドではないか。あれは、あんまり話が大きすぎるので、映画化されることはまずないと予想しているわけだが(っていうか、作ってもヒットしまい)、まさかこんなところでナイトワールドチックな絵を拝めるとは思っていなかった。宣伝がそっち方面で全くなされていないんだものなあ。ダラボンブランドを最大限利用しようって事なんでしょ?そうなんでしょ?
御裁断は(最高☆5つ)
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