ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝
邦題を見ているとすっかり忘れてしまうのだけど、このシリーズはミイラが復活しないと始まらないのですよ。といってもミイラはどこにでもあるわけじゃなし、でもまたイムホテップを復活させるのも芸がない。といわけで、はるばるやってきました中国へ。あれ?中国にミイラなんていたっけ?そうです復活するのは兵馬俑。敵は秦の始皇帝という、そういう話。いいかげーん。
この、いいかげんナゲヤリズムは全編に横溢しているのであります。話は一本調子。敵と味方しかいない単純でダイナミズムの感じられないキャラクター配置。最後は数勝負。イエティってなんやねん。あのー、皇帝がキングギドラになったような気が。。。それから、そんなことができるなら最後の決戦でもやれば無敵に思うのですが。。。
いや、わかるよ。レイチェル・ワイズが降板した事で、今作の失敗は決定づけられていたようなもの。このシリーズの魅力は、ブレンダン・フレーザーとレイチェル・ワイズのとぼけたアンサンブルが醸し出す間の抜けた明るさによるところが8割だったのだもの。作り手のやる気もでないってものだ。今作のイブリンは妙に艶めかしくっていけない。ジョン・ハナもずっとそこに立っているだけの役回りだったし。哀。あと、息子役のチャームの無さよ。もうちょっとなんとかならんかったのかなあ。
それから何がいけないかって、リーリンチェイの無駄遣い。カンフーの見せ場らしいところもなく、ハリウッドにおけるリーリンチェイのステロタイプであるところの残忍な悪役の再演に過ぎなくて、イムホテップには見られたミイラにされた男の悲しみなんて複雑な要素は1ミリもない。ロブ・ミンコフの爪のアカでも煎じて飲みなさい。
御裁断は(最高☆5つ)
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