ウォンテッド
うだつの上がらない主人公、彼を戦いの世界に誘う凄腕の美人、訓練によって開花する主人公の素質、そしてそれは天賦のそして世界を変えるような才能、さらに見た事のないビジュアル体験、と、ここまで来ればまるでそれはマトリックス。しかし、作品のタッチはあれとは随分違って、ファンタジーぽいっと言うか、どこか現実逃避的というか、夢を見ているような感じ。
主人公が暗殺組織に訓練される時、文字通り血を流しながら痛い目にあいながら(ナイフの使い方の訓練でホントに刺されたり)行う。で、その描写もちゃんと痛いもの。しかしどんな大けがしてもすぐに治る回復風呂というお気楽アイテムのおかげで、どんどんインフレする痛さなんだけど、実質がついていかない。
こういうフワフワ感と、あの弾道を曲げる魅惑のシーンとは一体のものであるから、当惑してしまう。弾道曲げは最初予告編で見た時、「ああ、できそうできそう」って思わされた。野茂ならきっとできる。で、これはきっと何かリアルの深い部分を刺激する新しいビジュアルなのだろうって感心したものだ。これだけでも見る価値がある、と断じて不安がなかった(でも本編のほとんどの見せ場は予告編に出てきててガッカリした)。
というわけで、だんだん何書いてるのか自分でもわからなくなってきたけれども、要点は、誉めていいのか貶していいのか困ってしまいました、と言う。
御裁断は(最高☆5つ)
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