イレイザー
シュワちゃんといえば、最近は自分の無敵ヒーローのキャラクターを逆手にとった構造の映画を連発していたが(「ラストアクションヒーロー」と「トゥルーライズ」の事ね、この2本はいずれもパロディ的とも言える無敵ヒーローを設定して、そのうえで如何に弱点を付与するかという点から発想した映画だと思う。シュワちゃんが如何に自分を客観視できているかの証拠だと思う。客観視はユーモアを生んで、ユーモアがほどよくあると、この手の映画はとても楽しい。わかったかい、トム君)、今作は久々とも言える正統的アクションになっているのです。なかなかよい出来で楽しめるね。この夏何も考えずに洋画を見るなら、これに決まり。ジェームズカーンの悪党っていいわ。ひたむきな悪党って感じ。
FBIの証人保護プログラムって言うのは、いわば一度死んで、別人として再生するという理解でいいと思うのだけど、こう、この映画では死と再生を経たものだけが善玉なのね。「これがアメリカ社会の病巣を的確に表している」というわけではもちろんなくて、アクションの連続に一息抜かせてくれるいいスパイスになってる。おいら好きやね、あの組合の連中。
しかし、予告編は半分以上のショットをわざわざ撮影してるということがわかった。そういわれてみれば、あの予告編はなんとなく本編で使うにしては雰囲気がわざとらしかったものなあ。
ちなみに、おいらが一番好きなのはパラシュートの向こうにゆっくり旋回する飛行機のシーン。なんとなくのどかで(本当は緊迫してるんだけど)、いいんだ、これが。
御裁断は(最高☆5つ)
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