ガメラ2 レギオン襲来
電線のリアリティ。日本は電線の国なんだ。子供の頃4階建ての小学校から町(僕の生まれ育ったところは新興住宅街で高い建物がないので、学校がいちばん高い建物だった)を見渡して、「電線がなかったらどれくらいすっきりするだろう」と、思ったものだ。しかし、今や電線はリアリティを裏打ちするくらいに意識に染み付いてるんだなあ
前作よりずっと自衛隊の存在感が増して、さながら戦争映画みたい。日本版ID4といったところか(なんて偉そうにいっているが、もちろんID4はまだ見ていない)。ガメラの正体が既にわかっているので今回は物語が単線的。これは続編ということで致し方ないところ。脚本の出来や、ディテールの作り込みなどは前作ほどではないように思えるが、しかし前作よりもっと楽しめるのである(前作があれだけの作品なのだから今作も面白いという事、いわずもがな)。これは、映画の持つ構造が単純で昂揚を生みやすいせいもあるだろうけど(ちょうどエイリアンの1と2の関係と同じ。そういえば、レギオンはアリやハチの社会性昆虫がモチーフだから、そういう意味でもエイリアンと似ている。レギオンのアリの側面をもっと強調して、自衛隊ともっと銃撃戦するとか、人間が体を使って活躍するところがもっとあればなあとも思うが、そうすると本当にエイリアン2になっちゃうかな。ん?と、いうことはガメラ3はフィンチャーみたいになるのかあ?いやだぞ、それは。)やっぱり重要なのは中山忍と水野美紀の違いだろう。表情の幅の広さが一桁違う。ああ、彼女はむちゃくちゃきれいになったね。ミニスカートでサービス一杯だし(でも、おいらがいちばんどきどきしたのは科学館のミニスカートにブレザーの制服に合わせていた白い大きなスニーカー。ところで彼女大柄なんだね)。後半出番が少なかったのが残念。
それにしても、養老孟司がレギオンを解剖して、あまつさえセリフさえしゃべるとは思わなかった。東大やめて何をしてるかと思ったら、こんなところにいたとは。
御裁断は(最高☆5つ)
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