ミッション・インポッシブル
とりあえず、デパルマは当代最高の映画監督やね。ハリウッドでこういうくらくら来る映画をさらっと作ってしまう。最後の大アクションは御愛嬌として、それまでに至るシーンのカット一つ一つがまさにデパルマ節。ヒッチコックのパクりは、最近なりを潜めていたように思えていたが、今回トム君を隠れみのにしてか、めちゃくちゃやってたぞ。そういえば、TBSでプロデューサーやってる知人(下を参照)がヒッチコックを称して「あんな、貧相な映画のどこが面白いねん」といってたが、この映画もその系列にあるから、見せ場の連続という「スピード」のような映画ではない。だから、きっとこの映画も前評判ほど面白くないなあと思う人もたくさん出てくると思う。まあ、そんな人たちはとりあえずほっといて、この映画を見て、「面白かったけど、何で面白かったか今一わからない」と思った人はヒッチコックの映画を見なさい。きっと楽しめます。そして、映画でどのように緊張が生み出されるか、画面の中の被写体の配置がどのように私たちの心をどのように動かすのかをを考えてください。
それにしても思うのは俳優の持つ資質です。この映画主役がトム君じゃなくてチャリ坊(チャーリーシーンの事、念の為)か、エミリオエステベス(チャリ坊の兄貴、この映画ではエレベーターで細工をしてた俳優。それにしても贅沢なキャスティングや)だったらすごくよかったろうになあ。荒唐無稽な話とトム君のしかめっつらとは今一フィットしない感じがした。まあ、おかげでヒットするんだろうけど。やっぱりギャルちゃんたちで一杯だったよ、金曜の劇場だというのにね。ジェームズスチュアートが生きてたらなあ(まだ生きてるって(生きてるよね?心配になってきた))。
ところで、あたしゃ一度でいいからエマニュエルベアールのとがった唇に触れられてみたいなあ。
御裁断は(最高☆5つ)
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