さまよう魂たち
マイケルJフォックスは空虚の俳優だと思います。彼はよくドタバタコメディに出演してはその小さな体と童顔を利用して人気を博してきたものですが、実は彼の本質を作るものは驚くべき大きさの空虚さなのです。ドタバタ演技はその空虚さを埋めるためのものだと解釈するのがよろしいでしょう。よーく思いだしてみましょう。「ブライトライツビッグシティ」、「カジュアリティーズ」、それからおそらく「バックトゥザフューチャー2」などに見られる、悲惨な状況に遭遇したときに見せるあの虚脱の表情。どこも見ていない眼。あのような演技ができる俳優はこの人をおいて他にないでしょう。思えば、バックトゥザフューチャーの第一作にしても失われていく自分をとりもどそうと悪戦奮闘する物語でした。彼の空虚さは僕の琴線を揺さぶります。泣いちゃったなあ(例によって泣く映画ではないのだが)。インデペンデンスデイを見て食い足りないと思ったあなたにはお勧めです。ピータージャクソン監督だからニュージーランドのきれいな風景も見れるし。
それにしても洋の東西を問わずして幽霊物には秀作が多いのは一体なぜだろう。
ところで、FBI捜査官は久々に現れたキレキレキャラクターだなあ。映画の本筋にマッチしてるかどうかはともかく、おいらは好きだぞ、ああいうの。
御裁断は(最高☆5つ)
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