乱気流
女性版ダイハードにエアポート75を加えてシェイクして、エグゼクティブデシジョンをトッピングすれば、この映画が出来上がります。お味は?実はなかなかいいお味なんです、これが。コンエアーのようなお味がしたと思ったら、それは間違いですからねー。
イラブ顔したレイリオッタ。少しイッチゃってる殺人鬼をやらせたら向かうところ敵なしです。「不法侵入」の頃から比べると随分太って頬の下に肉が付いて、ますますイラブに似てい。。じゃなくて、ますます憎たらしさが高まります。終盤近く、主人公が反撃に転じるところでついつい快哉を叫んでしまいました。いいぞ、レイリオッタ!悪役道をこの調子で極めてくれい。
この作品は、男を見る目が無い女の子が、そのおかげでひどい目に遭ってしまい、結果として見る目を手に入れる話です。主人公の同僚で男を見る目のあるスチュワーデスが出てきて、一目でレイリオッタの本性を見破ってしまいます。このキャラクターが対比になって主人公の性格付け(ついつい男にだまされてしまう)がよりハッキリと表現されているので、主人公が劇中で合理的でない行動をとってピンチに陥ってしまうのも、見ているほうとしては説得されてしまいます。よく出来た仕込みだと思います。まあ、隠しテーマがそういうことなので、ハンサムなレイリオッタよりも普通の男であるボーエン機長がほとんど出番はないにもかかわらず、最後をさらっていくのは当たり前です。やっぱ、男の魅力は見掛けや口先じゃなくて、仕事ができるかどうかだわさ、ということで、みなさん希望を持って生きていきましょう。
エンドタイトルの処理も大変好感がもて、よくできた映画の余韻を楽しむことができました。
ところで、上映をまつ劇場では普通ムード音楽がかかっているのがノーマルだと思うのですが、今日は空港の出発ロビーのSEをかけてムードを盛り上げていました。あげく、上映のアナウンスが離陸時のアナウンスを模していたりして、なかなか気の利いた事でした。で、これって、松竹系の劇場では日本全国でやっていたことなんでしょうか?それとも、僕が見た京都松竹座の洒落っ気だったんでしょうか?どなたか知っている人がいたら教えてくださいな。
御裁断は(最高☆5つ)
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