ブレーキ・ダウン
予告編や広告を見ていると「激突」みたいな映画を想像してしまいます。よくわからないけど、襲われて逃げ回るという。しかし、実際の作品はそうではありませんでした。平凡な人間が犯罪に巻き込まれるというお話でした。この映画の面白さは巻き込まれた場所につきます。西部の荒野の真っただ中、石っころしかないところで犯罪に巻き込まれたら、もう孤立無援。頼れるのは自分だけ。なんて心細いシチュエーションでしょう。しかも、危機に陥っているのは愛する妻と来たもんだ。こいつはシチュエーションの設定だけで8割方成功したといえるでしょう。
まあね、どうせ荒野の中なんだから、最初っからまだるっこしいことせずにズドンで終わりやないかと、映画を見た後では思うのですが、見ているときはそんなこと感じさせないようにスムーズにストーリーが運ばれていきます。で、誰を信じたらいいのか、登場人物よりむしろ、お客である我々のほうがわからなくなるように巧妙に練られたお話のうねり方。なかなかの巧作だったと思います。
御裁断は(最高☆5つ)
98年に見た映画へ
一覧へ