L.A. コンフィデンシャル
こういう正統的なハリウッド映画を見れるのは、僕の最も喜びとするところであります。正統的とは、しっかりしたストーリーの上に肉付けされたキャラクターたちが演じるドラマを見せてくれるものです。決して、火薬の量や、費やした予算の多さで決まるものではありません。
しかも、例えば、「恋愛小説家」のような映画だと、こちらの感情も深く揺さぶられちゃって、ドラマを堪能するってのとはちょっと観賞法が違ってきてしまうんですね。色々、自分のことを思いだしたりね。その点、今作は僕にとって、直接琴線に触れるところがあんまりなくって、おかげで作品が仕掛けてくるドラマにのめり込むことができました。
三人の刑事達の心の動き。一番泣けるのはケビンスペイシーだが、一番カッコイイのはラッセルクロウ。男って言うのは、本当に不合理な生き物ですね。心の中に何かちっぽけな自分たちの生きている意味を象徴するものを持っていて、そこを刺激されると命を賭けるような行動にも平気で出てしまう。もちろん、僕はこの映画の主人公達ほど肝の据わった人間ではないんですけど、でも、そこの所はよーくわかりました。自分でも気がついていないんだけど、世の男性はみな同じ様なところを持っているのかもしれませんね。それにしても映画ってのは、上手く作ればこんなにも多くのニュアンスを語れるメディアなんだなあって、改めて思いました。
見るべし。
でもさあ、ダニーデヴィートは今回はミスキャストだよ。最後、ああいう風に処理されると観客としては不満だな。
御裁断は(最高☆5つ)
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