踊る大捜査線
僕のうちにあるテレビはかれこれ2年も壊れたままほっとかれてます。なので、僕は長い間テレビなしの人生を歩んでいて、このドラマが評判だというのは聞いていたのですが、見たことは一度もなかったわけです。しかしまあ、いろんなところで面白いとか、口コミで興行収入一位になったとか聞いたもので、ついつい見に行ってしまいました。
しょせんはテレビクオリティーに毛の生えたものでして、映画館で1800円を払う価値のあるものかどうかとなると、難しいところがあるのですが、いざ見てみるとなかなか楽しめる。変に気取ったところもないし、いい感じです。
最後の織田裕二が看護婦さんに「おれがいないと湾岸署はダメだから」ってうそぶくシーンを見て、「ああ、古くさい」と思いました。彼のセリフは、そのまんまワーカホリックになる会社人間の自己弁護、いいわけそのものですから。でも、ひょっとして、こういう古くさいところが、このドラマが受けている理由なんじゃないかなってちょっと思うわけです。それが、例え幻想であったとしても、自分が誰かに必要とされていると思うことはその人を幸せにしますもの。近ごろの風潮は、そういう思いを見下すばかりで(自分も反省しなくちゃな)、この作品の古くさい主張は逆に新鮮に受け取られているのかもしれないな、と。
思えば会社人間は幸せだったんですよね。
御裁断は(最高☆5つ)
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