スターシップ・トルーパーズ
監督のバーホーベンは、ありとあらゆるインタビューで「この映画は戦争がいかにばかげているかを描いたものだ」と、言い続けていましたが、実際に見てみると、「日向ったな、バホちゃん」って感じでしたね。ロボコップの方が、なんぼか皮肉が効いていたというものです。「ショーガール」の借金はそれほどに大きかったのでしょうか。
表情に何の精彩もない若い役者たちがギャースカギャースカ騒ぎまくって、動きが速すぎて、どんな形かよくわからないクモみたいな虫達をひたすら殺し、ひたすら殺されていくお話です。混乱する戦場、昆虫の大群、火を吹く大きなオサムシ、宇宙戦艦の沈没のスペクタクルなど、見てて「うひょー」って思うシーンがたくさんあって、それはそれで面白く見れてしまったのですが、それって、監督の意図と違っちゃってませんかね。
昆虫との戦いというメタファーで現実の戦争のリアリティを描いてみようという意図はよくわかるのですが、そんなことしないで、ほんとうの戦争を題材にしたほうがよかったのでは?SFXが目くらましに働いてしまったのではないかと思います。もしそうしていたら、あんなにインタビューで言葉を使ってテーマを語るというみっともない行為をしないでも済んだんじゃないかなあ。
御裁断は(最高☆5つ)