アンツ
僕のページの愛読者なら、いつの日かこの作品の映画評が出ることがわかっていたでしょう。ああ、仕事って因果なものだ。
Zのキャラクター設定には僕は疑問符でした。爽快感がない。ぐちぐち理屈ばっかり言って、こすっからくってなあ。ウッディアレンが声をやらなかったら、どうなっていたことか。それとも、先に声が決まっていて、後からキャラクターを設定したのかなあ?それに、王女様もあんまりいい性格じゃないしなあ。かっこいいのは副官なんだけど、いまいち見せ場が少ないし。あの副官を前半でもう少し活躍させておけば、盛り上がったのに。Zの友達の兵隊アリのシーンを全部すっとばしてさ。でも、スタローンの声は面白かったなあ。声聞きながら画面を見たら、アリがスタローンみたいに見えてくるもんなあ。でも、ほんもののスタローンよりも演技派なの。まいったまいった。
それでも、アリのモブシーンには単純に「おおっ」と目を見開かれさせられます。それから、靴に捕まっての冒険シーンも面白い。小学生くらいの時に、この映画を見たら、色々想像してしまって道が歩けなくなってたりして。
一番好きなシーンはラストシーン。あの視点の移動は現実感覚を失いかけそうになって、僕のような人間にはやっぱり効く。見ていて、最後までああいう視点にまったく考えが及ばなかったということは、実はいい映画なのかも。Zがああいう爽快感のないキャラクターなのにも理由があることに気づく。それから、この映画は舞台空間が世界で一番狭い映画に違いないぞ。ギネスブック物。
御裁断は(最高☆5つ)
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