ペイバック
ぜーったいメルギブソンはマゾに違いない。アクション映画をやると必ず拷問されるし、今回でも中国人女王様が出てくるシーンの異様なほどの突出度は好きだからこそに違いない。ああ、私生活で殴られて恍惚とするメルギブソンを想像するのってやなもんだ。
監督がLAコンフィデンシャルの脚本家だと聞いて、この映画のハードボイルド部分がよく理解できた気になりました。妻に裏切られて死にかけて、なんとか生き延びて、でもやはり妻に会いに行く。殺されかけても、まだ未練があるのか、それともただの惰性なのか。「結婚とはこんなものか」のせりふ。くー、かっこいい。やっぱり、男は何があってもぐっと抑えるですぞ。
でも、アクションシーンはリッグスなの。ひとりリーサルウエポン。さすがに大爆破シーンもないし、ペラペラ漫才みたいにしゃべるわけでもないけど、無鉄砲に敵地に突っ込んでいくし、ダメージを受けてよろけるところの千鳥足演技とか、早くマータフ出てきてえや、って感じ。
で、この二つの要素が混ざり合ってなんとも形容のしにくい妙な雰囲気をつくっているのですな。見てて、どこかしら足の裏に豆粒がついたくらいの座りの悪い感じがする。他の登場人物達もどこかネジが緩んでいるようなおかしなキャラクターばっかりで。とはいえ、お話自体は、たくさん広げたプロットをちゃんと最後には収束させているし、よくできています。わき役達の個性も丁寧に描写されていますし、手抜きなしに作られているようです。面白いですよ。
それにしても、次から次へと悪役を倒すたびに、また新たな悪役が出てくるというのはドラゴンボールか格闘ゲームかという感じです。大ボスなんて映画が残り1/3くらいにはじめて画面に現れるのですよ。中ボスのジェームズコバーンも然り。いい味だったですけどね。
御裁断は(最高☆5つ)
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