ラッシュアワー
このタイトル、なんか意味わかんないなー。東宝東和なのかなあ?と思ってたら、原題もおんなじでした。この言葉って、なにか裏の意味でもあるの?
太古の昔から延々と作り続けられてきた、「無理やりコンビを組まされた刑事が反目しながらも捜査を進める中で友情を育てていく」物です。本作では、黒人がスタンダードで、ジャッキーチェン扮する東洋人が異文化を持ち込む側になっているというのが、現代のアメリカ社会を見事に活写しているのだかどうだか。
大ヒットだって言うし、前評判も高かったし、劇場行ったら人いっぱいだったしで、いや増す期待だったのですが、見てみたらたいしたことなかったです。伏線を前半でたくさんひいているのはいいのですが、それがすべて不発。よく、できの悪い映画だと伏線が結局使われないまま終わったりして、「あ、編集で手を抜いたな」とか思うのですが、今回は伏線をちゃんと後で使っているのですが、本筋とはまったく関係ないところで使っていることがとても多く、「脚本が練れてないなあ」という印象を受けました。ヒッチコック言うところのマクガフィンである、誘拐される中国領事の娘は、お話のかなり最初の方でわざわざ「じゃじゃ馬である」という描写をしています。見ているほうとしては、「お、この娘はこの性格ゆえに脱出のときにかなり活躍、もしくは話を混乱させるに違いない」と楽しみに期待しています。この性格が後に現れるのは2度あるのですが、一度目は誘拐されるときに暴れて誘拐犯の顔に傷を付けるときです。でも、結局さらわれてしまうんだから、暴れる部分はストーリーからは枝葉です。二度目は犯人と対決するときにタンカを切るのですが、すぐにクリスタッカーに制止されて、これも本筋とは関係ありません。他にも色々そういうところがあって、消化不良でした。
ところで、ジャッキーチェンのアクションってのは、どうして、一つ一つのアクションが終わると、次に行くまで間があるのでしょうか?もう年なのかなあ。一人を殴って、次を殴るまでに一息ついている感じするものなあ。でも、壺を割らないようにして格闘するところは、いかにもジャッキーでしたね。こういうコミカルなアクションなら、多少もたついてても許せるな。それにしてもジャッキーはいい人だねえ。
それから、クリスタッカーはフィフスエレメントと比べるといまいちだったなあ。しょうがないかなあ。
御裁断は(最高☆5つ)
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