トゥルーマン・ショー
難しい映画です。僕は最後の最後までこの映画を神と人間の関係を神の立場から描いたものだとばっかり思っていました。それほどまでに、エドハリスは完ぺきでした。しかし、ラスト、エドハリスが声をあらげたのはどういうことなのでしょう?あれは、僕がキリスト教的世界をまだ完全には理解できていない証拠なのでしょうか?それとも、単にこの映画のテーマはマスコミ批判というような凡庸なものなのでしょうか?
ジムキャリーの表情の人工性はまさにこの映画にうってつけ。奥さんの不気味さもなかなかでした。でも、それにしても、何十年も続いた、小さな国家ほども重要であるトゥルーマンショーがあのようなつまらないことから崩壊してしまうというのは見ていてしらけてしまいます。これは、アクション映画において敵がどんくさくって、アホなことばかりしている場合と同じです。それから、ほんとうの恋人も劇中では結局何のために存在するのか分かりません。なんとなく、トゥルーマンが虚構に気づきはじめるシークエンスもスムーズではないし。なんだかなあ。
御裁断は(最高☆5つ)
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