ヴァンパイア 最後の聖戦
人類は滅びなかった。音楽はやっぱりカーペンター本人がやってました。でも、今回はいつものシンセサイザーピコピコの薄っぺらい音楽よりは少し厚みがあって、映画のウエスタン調の雰囲気とあいまって、ライクーダーのようにも聞こえます。もう一つのカーペンター節といえば、お話がやっぱり暗いことです。主人公二人のうち、一人(ボールドウィン一家の何番目かは知らないが、あまり出来のよくなさそうなダニエル君)は暗い悲惨な将来を背負ってしまいます。ラスト二人は敵同士になって別れるのですが、映画の最初の方で、二人の友情関係をしっかり描いていないもので、ラストでのやるせない悲しい気持ちが今一つ盛り上がりません。残念です。これには、ダニエル君の魅力のなさも関係していますね。あれじゃあ、ただの中年太りした西部のオッサンですわ。かっこわりー。てなわけで、なぜ彼が娼婦の味方をするのか、それから、もう一人の主人公ジェームズウッズに重要なことを隠すのかがさっぱり理解できません。
いやはや、それにしてもカーペンターの反権力性は相変わらずでした。今回はカトリック教会が槍玉です。本の虫の神父がヴァンパイアと戦う中でスレイヤーとして成長く過程は、そのまま教会批判でしたね。まあ、いつものことであまり驚きはありませんでしたが。でも、あの神父はかっこよかったよ。
今回、また一つカーペンターの趣味に気づきましたよ。やつは足の長い俳優が嫌いだな、きっと。絶対主人公は短足だもんな。西部劇には似合わんぞ。
御裁断は(最高☆5つ)
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